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中世サロン第9夜(報告)

中世サロン第9夜、終わりました。
不思議な夜でした。
いつもの参加者さんから、レポートをいただきました。こちらに転載させていただきます。

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中世サロンの夜は、なにかに憑かれている。
今回も、そんな夜だった。

今回のテーマは、中世料理と、ダンス。
料理人たけさん研究による、「鶏の悪魔焼き」と「豆とキャベツのビール煮込み」と、おぎやんさん指導による、中世ルネサンスダンス。

たけさんが鶏を焼きだすタイミングで、おぎやんさんが笛を吹き鳴らし、わたしが踊りだして、異界へ皆を引き込んでいく。
おぎやんさんの笛の音を聞くと、わたしは踊り出さずにはいられない。

今夜は、何事も対比されるようにみえた。

東の空に今年一番の月、北の空に走る雷鳴。
満月と雷は、蝋燭という人工の灯りを嫌がるように風を呼び、炎を吹き消していく。

集まった方々も様々だ。
いつもより相当の大所帯で、30名ほど、ちょっとしたお祭りだ。

まずは恒例となった、ハーブウォーター(今回は夏の名残りのミントのハーブウォーター)で手を洗う儀式をする。
初めての方々は、それだけで新鮮な体験のようだ。

そして、お料理をいただく。
「鶏の悪魔焼き」は貴族料理だし、「豆とキャベツのビール煮込み」は庶民料理だ。

「鶏の悪魔焼き」というのは、鶏を開いて、悪魔の僕とされる蝙蝠に見立てたお料理。
炭火で焼かれ、鶏の脂が香ばしい。
中世は、南米からのお野菜(トマトやじゃがいもなど)が無い時代なので、その当時あったものからおいしい料理を研究し生み出そうとする、たけさんのチャレンジ精神が素晴らしい。

ちなみに、わたしは「豆とキャベツのビール煮込み」のほうが好きな、庶民派。
クミンが効いていて、うまみが引き出されて、なんとも美味しい。
おそらく、ビールで煮込まれたのは、うまみを引き出す為もあるのだろうけれど、きっと中世に安全な水が手に入り難かったことからでもあるのだろうと、勝手に想像してみる。

それから、みんなで自己紹介をして、輪になってダンス。
「馬のダンス」って、いったかな。
ステップは単純ながらも、慣れていないわたし達には結構大変。
でも、今の時代、みんなで輪になる事自体、まれなこと。
それだけで、楽しくなる。
そして、おもいがけず、かなりの運動量。
ダンスの回転に、三半規管がついていかない・・・

ダンスが終わったあと、一陣の風が吹き、次回中世サロンの、ちらし配りの手伝いをしてくれた。

そして会はお開きとなり、後片付けが終わったころ、せめぎ合っていた高気圧と低気圧の、低気圧がとうとう凱歌を揚げ、驟雨となった。
サンサロヘ向かう篠つく雨のなか、「雨降って地固まる、本番に向けていい兆候だ」とひとりにやりとする。

ミントティーで打ち上げをした。

帰る頃には、雨は止んでいた。
秋来たる。


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次回第10夜は、薬草と香辛料
そして、中世の音風景です。
by medievalsalon | 2010-10-03 22:58 | 中世サロン
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